ホーム検証・研究IPO
DATAIPO公募価格超え237銘柄を検証

公募価格を超えたIPO、
初値で売る?そのまま持つ? 237銘柄を検証

当選したIPOが公募価格を上回って始まったとき、初値で利益を確定するのか。そのまま持つのか。過去の値動きを調べました。

2026年9月1日公開約6分
DATA公募価格超えIPO 237件PERIOD5・20営業日後BASE初値を基準
CONCLUSION

先に結論

公募価格を上回って始まっても、その強さが続くIPOは少数でした。20営業日後に初値を上回っていたのは32.1%。とくに初値が公募価格の2倍以上になった銘柄は15.5%にとどまりました。

35.4%5営業日後に初値超え84 / 237銘柄
32.1%20営業日後に初値超え76 / 237銘柄
15.5%初値が公募価格の2倍以上20営業日後、9 / 58銘柄
01|RESULT

20営業日後も初値を上回っていたのは32.1%

初値で売った場合と、そのまま保有した場合を比べると、初値で利益を確定した方がよかった銘柄が多くなりました。

初値と5・20営業日後の終値を比較
初値と比較5営業日後20営業日後
初値を上回った84銘柄(35.4%)76銘柄(32.1%)
初値以下だった153銘柄(64.6%)161銘柄(67.9%)
騰落率の平均−2.4%−6.4%
騰落率の中央値−8.8%−14.0%
公募価格を上回ったIPOが5営業日後と20営業日後も初値を上回っていた割合。5営業日後35.4%、20営業日後32.1%
初値日を0営業日目として、5・20営業日後の調整後終値を初値と比較しました。

大きく上がった銘柄もあります。20営業日後の騰落率は、Arentが+197.4%、ELEMENTSが+177.2%でした。

ただし、こうした一部の銘柄が平均を押し上げています。全体の中央値は20営業日後で−14.0%。真ん中の銘柄は初値から1割以上下がっていました。

02|PREMIUM

初値が高くなりすぎたIPOほど厳しい

初値が公募価格をどれだけ上回ったかで4区分すると、とくに50%を超えたあたりから結果が悪くなりました。

初値の公募価格比別に20営業日後を比較
初値の公募価格比銘柄数20営業日後に初値超え中央値
20%未満6238.7%−8.1%
20〜50%7142.3%−8.8%
50〜100%4628.3%−20.3%
100%以上5815.5%−27.9%
初値上昇率別に20営業日後も初値を上回っていた割合。20%未満38.7%、20から50%42.3%、50から100%28.3%、100%以上15.5%
初値が公募価格の2倍以上になった58銘柄では、20営業日後も初値を上回ったのは9銘柄でした。

初値の上昇幅が小さい順に成績が並ぶわけではありません。それでも、初値が2倍以上になった銘柄は20営業日後の中央値が−27.9%。初値で人気が集中しても、その勢いが続くとは限りません。

03|PRICE RANGE

上がる場面はあっても、持ち続ければ取れるとは限らない

初値日の寄り付き後を含む20営業日間では、237銘柄中235銘柄が一度でも初値より高い値をつけました。

期間内の最大上昇率の中央値は+19.8%です。一方、同じ期間の最安値は初値に対して中央値で−26.5%でした。

一度は上がる銘柄が多くても、20営業日後まで初値を上回っていたのは32.1%。途中の高値を狙って持つことと、持ち続ければ利益になることは別です。

04|MARKET

市場区分だけでは決められない

市場区分別ではプライムが強く見えましたが、対象は8銘柄しかありません。

市場区分別の比較
市場区分銘柄数5営業日後に初値超え20営業日後に初値超え20営業日後の中央値
グロース19432.5%28.9%−16.4%
スタンダード3545.7%40.0%−12.4%
プライム862.5%75.0%+9.1%

集計期間中は日経平均も上昇していたため、各IPOの初値日から20営業日後までの日経平均とも比べました。プライム8銘柄では、IPO騰落率の中央値が+9.1%、同じ期間の日経平均は+1.9%。日経平均を上回った銘柄も8銘柄中6銘柄でした。

地合いだけでプライムの数字が高くなったわけではありません。ただし、8銘柄から「プライムは保有が有利」と決めることもできません。市場区分別の数字は参考程度に見ます。

05|GROWTH

グロースだけでも、初値2倍以上は厳しい

件数の多いグロース194銘柄だけに絞り、初値上昇率で分けました。

グロース市場の初値上昇率別比較
初値の公募価格比銘柄数20営業日後に初値超え中央値
20%未満4431.8%−11.9%
20〜50%5437.0%−10.1%
50〜100%4032.5%−18.9%
100%以上5616.1%−29.9%
グロース市場の初値上昇率別に20営業日後も初値を上回っていた割合。100%以上では16.1%
グロースの初値2倍以上は56銘柄中9銘柄。20営業日後の中央値は−29.9%でした。

初値が2倍以上になった銘柄の弱さは、市場区分をグロースにそろえても残りました。今回のデータでは、市場区分より初値の上がりすぎを気にした方がよさそうです。

EDITOR'S TAKEAWAY

最後に、3行でまとめると

公募価格を上回って始まっても、20営業日後に初値を上回っていたのは32.1%。

初値が公募価格の2倍以上になった銘柄は15.5%。グロースだけでも16.1%でした。

市場区分より、初値がどこまで上がったかを見る。高騰したIPOでは、初値で利益を確定した方が無難だった銘柄が多い結果でした。

RISK CHECK

数字を見るときの注意

  1. 1

    対象は2021年11月24日〜2025年7月24日に上場したIPOのうち、初値が公募価格を厳密に上回り、20営業日後まで日足を確認できた237銘柄です。

  2. 2

    日経平均との比較は、各IPOの初値日の終値から確認日の終値までです。

  3. 3

    売買手数料・税金・スリッページは含めていません。過去データの検証であり、将来の値動きを保証するものではありません。

METHOD

集計方法

上場日・公募価格・市場区分を整理し、保有する日足データと照合。初値日を0営業日目として、5・20営業日後の調整後終値を調整後初値と比較しました。初値上昇率は、初値が公募価格をどれだけ上回ったかで区分しています。

Xで共有する