最初の疑問から整理しよう

夜間PTSがストップ高なら、今日はそのまま買えばいいの?

材料は強いです。ただしPTSの出来高、訂正後の数字、寄り付き後の需給を分けて確認しましょう。
30秒まとめ
フェローテックは2026年12月期の営業利益予想を380億円から600億円へ57.9%上方修正しました。
8,940円、東証終値比1,500円高の20.16%上昇。出来高は7,700株でした。
8,940円で売買が成立するか、買い注文の厚さ、成立後も高値を保てるかを確認します。
数字はここだけ
まず訂正後の正式値を見る。売上より利益の伸びが大きい
フェローテックは7月22日18時30分、2026年12月期の通期連結業績予想を上方修正しました。その後に訂正開示が出ているため、本記事は訂正後の数値を使います。対象期間は2026年4月1日から12月31日までの9か月です。
訂正後の予想は、売上高3,800億円、営業利益600億円、経常利益550億円、親会社株主に帰属する当期純利益330億円です。従来予想に対し、売上高は8.6%、営業利益は57.9%、経常利益は52.8%、純利益は43.5%の上方修正となりました。1株利益予想は436円78銭から626円69銭へ引き上げられています。
最初の開示には売上高4,000億円、経常利益580億円、純利益370億円などと記載されていましたが、訂正後はそれぞれ3,800億円、550億円、330億円です。営業利益600億円は訂正されていません。数字を読む際は、後から出た訂正版を優先する必要があります。
生成AI向け需要と高採算品の増加が、利益率を押し上げる
会社が示した理由は、生成AIに関連する半導体製造装置向けの需要増です。セラミックス、石英、真空シール、金属加工などの半導体等装置関連製品に加え、AIデータセンター用の光トランシーバー向けサーモモジュールも伸びていると説明しています。
大切なのは、売上高の修正が8.6%なのに対し、営業利益は57.9%増えた点です。営業利益率を単純計算すると、従来予想の約10.9%から約15.8%へ上がります。会社は収益性の高い製品の売上増を理由に挙げており、数量だけでなく製品構成の改善が利益を押し上げる見通しです。
ただし今回は9か月の変則決算です。前年の12か月実績や、通常の1年分のPERと単純比較すると見誤ります。8月14日の第1四半期決算で、受注・売上・利益率が実際にどこまで進んでいるかを確認する必要があります。
PTSは値幅上限の8,940円。ただし出来高は東証の約0.62%
7月22日の東証終値は7,440円でした。夜間PTSは18時31分に8,940円へ上昇し、7月23日1時20分時点も8,940円です。東証終値より1,500円、20.16%高く、前日終値を基準にした通常の値幅上限と同じ価格です。
一方、夜間PTSの出来高は7,700株です。7月22日の東証出来高123万2,800株に対して約0.62%にとどまります。価格反応は非常に強いものの、東証と同じ厚さで売買されたわけではありません。PTS価格だけで、寄り付き時刻やその後の値動きまで断定することはできません。
100株を8,940円で買う場合の必要資金は89万4,000円です。前日終値での74万4,000円より15万円高くなります。材料直後は値幅が大きくなりやすいため、成行注文だけでなく、成立価格と注文状況を確認したい場面です。
今日見るのは『寄るか』だけではない。成立後の出来高と高値維持
買い注文が売り注文を大きく上回れば、朝すぐには売買が成立せず、買い気配のまま進む可能性があります。8,940円で売買が成立した場合も、何株できたか、売り注文が増えたか、その価格を保てるかまで見ます。
最初の売買成立は人気を示しますが、短期の利益確定売りも出やすい価格です。上方修正前から保有していた投資家と、材料を見て新しく買いたい投資家では購入価格が大きく違います。寄った直後に出来高を伴って8,940円を保てれば強い反応、成立後に急速に押し戻されれば期待先行の反動と考えます。
強い反応
大きな買い注文を残し、8,940円付近で十分な出来高を伴って高値を保つ。
中立の反応
高く始まるものの、利益確定売りをこなしながら前日終値より高い水準を維持する。
注意する反応
寄り付き後に売りが急増し、出来高を伴って始値や前日終値へ近づく。
強い上方修正でも、三つの注意点は残る
第一は、開示直後に訂正が出たことです。訂正後も利益予想は大幅な上方修正ですが、重要な業績数値の訂正を投資家がどう受け止めるかは別の論点です。最初の数値を使った記事や投稿ではなく、会社の訂正版を確認してください。
第二は短期需給です。7月17日時点の信用買い残は191万6,000株、信用売り残は1万1,000株で、信用倍率は174.18倍でした。集計時点は上方修正前ですが、上値では戻り売りが出る可能性を示す数字です。
第三は業績予想の実現です。生成AI向け需要が続いても、半導体設備投資の延期、製品価格、工場稼働率、為替、設備投資負担によって利益は変動します。今日の株価反応と、8月14日の実績確認は分けて考えます。
公開投稿で目立った論点
7月22日夜から23日8時台までのYahoo!ファイナンス掲示板で、上方修正後に投稿された複数の意見を確認しました。個人名は出さず、重なっていた論点だけをまとめます。
ストップ高や1万円台回復を期待
利益予想の大幅引き上げとPTS8,940円を受け、当日のストップ高や、その先の1万円台回復を期待する投稿が多く見られました。
訂正開示への不安
最初の開示から売上高・経常利益・純利益が訂正されたことについて、社内の数値確認や情報管理を心配する投稿も複数ありました。
高く始まった後の売りを警戒
材料の強さを認めつつ、高値では利益確定売りや信用需給の重さが出るのではないか、と慎重に見る意見も確認できました。

本日の目玉はフェローテック(6890)です。訂正後でも営業利益57.9%、経常利益52.8%の上方修正は大きく、夜間PTSは値幅上限の8,940円まで上昇しました。ただしPTS出来高は東証の約0.62%です。『ストップ高か』だけで終わらせず、売買成立の時刻、出来高、成立後の高値維持、8月14日の実績まで順に確認します。

この記事の次に確認
- 8,940円で売買が成立するか
- 買い注文と売り注文の差
- 寄り付き後の出来高と高値維持
- 訂正後の正式な業績予想
- 8月14日の第1四半期決算
出典・確認先
- フェローテック:業績予想修正の訂正開示
- フェローテック:業績予想修正の当初開示
- フェローテック:IRニュースリリース一覧
- Yahoo!ファイナンス:フェローテック株価・夜間PTS・信用残
- Yahoo!ファイナンス:フェローテック掲示板
指数・株価は対象日の終値。業績数値は各社開示資料に基づきます。翌営業日の予報は記事日時点で分かっていた材料による条件付きの見通しです。市場の声は対象日前後の公開投稿を論点別に要約したもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。