MARKET DATE2026年7月24日(金)15:30発表
電子材料は晴れ、塩ビ系はくもり
CHARACTER TALK

最初の疑問から整理しよう

マシロ

営業利益は4.2%増。でも電子材料だけを見ると23%増です。事業別に分けましょう。

シュウ

自己株買いは1,973億円? すぐ市場で全部買うわけではないんだね。

30 SEC

30秒まとめ

第1四半期

売上高6,624億円、営業利益1,737億円。前年同期比は5.4%増、4.2%増です。

明暗

電子材料は営業利益23%増。生活環境基盤材料は34%減です。

株主還元

年間配当予想は116円。残る約1,973億円の自己株取得方法を決定しました。

NUMBERS

数字はここだけ

売上高6,624億円前年同期比 +5.4%
営業利益1,737億円前年同期比 +4.2%
純利益1,308億円前年同期比 +3.5%
01|RESULT

全社は増収増益。利益率はほぼ横ばい

信越化学工業(4063)の2027年3月期第1四半期は、売上高6,624億円、営業利益1,737億円、経常利益1,921億円、純利益1,308億円でした。前年同期比はそれぞれ5.4%増、4.2%増、5.8%増、3.5%増です。

売上高営業利益率は26.2%で、前年同期の26.5%から0.3ポイント低下しました。増収増益ではあるものの、利益率が大きく上がった決算ではありません。

1株当たり純利益は70.39円で、前年同期の66.48円から増えました。発行済株式数は同じですが、自己株式数が減り、期中平均株式数も減っています。

02|ELECTRONICS

電子材料は売上16%増、営業利益23%増

電子材料事業は売上高2,792億円、営業利益1,019億円でした。前年同期比は16%増、23%増です。AI関連分野が活況を保ち、その他の半導体分野も需要が上向いたと会社は説明しています。

シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料で、増量と価格修正が進みました。電子材料の営業利益は全社営業利益の半分を超え、今回の増益を支える中心です。

次に見るのは、AI向け需要が続くかだけではありません。会社が掲げる供給体制強化や価格政策が、設備投資負担を吸収しながら利益率を維持できるかが重要です。

03|PVC & MATERIALS

生活環境基盤材料は営業利益34%減

生活環境基盤材料事業は売上高2,277億円、営業利益348億円でした。前年同期比は7%減、34%減です。

塩化ビニルは値上げを進めましたが、5月後半からアジアと周辺地域で在庫過多や需要減退が起き、市況が下振れしました。原料・エネルギー価格の上昇も注意材料です。

電子材料の強さだけで全社を判断すると、この減益を見落とします。月曜は決算全体への反応とともに、半導体材料の成長が塩ビ系の弱さをどこまで補えると評価されたかを見ます。

04|FULL-YEAR & DIVIDEND

通期営業利益7,000億円、年間配当116円を予想

会社は2027年3月期の通期予想として、売上高2兆7,000億円、営業利益7,000億円、経常利益7,700億円、純利益5,250億円を示しました。前期比では4.9%増、10.2%増、8.7%増、10.7%増です。

年間配当予想は116円で、前期の106円から10円増える計画です。中間58円、期末58円を予定しています。

第1四半期の営業利益1,737億円を通期予想7,000億円で割ると、単純進捗率は約24.8%です。四半期ごとの季節性や市況変動があるため、25%前後だから予定どおりと断定はできません。

05|SHARE REPURCHASE

残る約1,973億円は、価格をあとで調整する仕組み

会社は4月に総額2,500億円の自己株式取得を決議し、約527億円分をすでに完了しました。7月24日には、残る約1,973億円について具体的な取得方法を発表しました。

まず7月29日から8月4日までのいずれかの取引日に、ToSTNeT-3で買い付けます。その後、二つの調整期間の平均VWAPと調整比率を使い、会社が実質的に取得する株数を調整するFCSR方式です。

発表日に1,973億円分を通常市場で一度に買い続ける制度ではありません。取得日、買付価格、取得株数、その後の調整結果を順番に確認します。

06|SCENARIOS

強気・中立・弱気の3シナリオ

強気材料は電子材料の23%増益、通期増益予想、増配、自己株式取得です。中立材料は全社の営業利益率がほぼ横ばいであることです。

弱気材料は生活環境基盤材料の34%減益、中国・アジアの需給、原料・エネルギー価格です。決算後の価格反応は掲載条件を満たす情報源を確認できないため、月曜の東証で確かめます。

1

強気

電子材料の成長と株主還元が、塩ビ系の弱さを上回る。

2

中立

増益と事業別の濃淡を織り込み、方向感を探る。

3

弱気

生活環境基盤材料の減益や市況悪化が重く見られる。

マシロのまとめ
マシロの「今日の結論」

信越化学の第1四半期は全社で増収増益です。電子材料の23%増益が晴れ間で、生活環境基盤材料の34%減益が雲です。通期営業利益7,000億円、年間配当116円、約1,973億円の自己株式取得は追い風候補ですが、月曜はどの材料が実際に評価されたかを売買で確認します。

リスク案内役のしろまる
NEXT|次に見ること

この記事の次に確認

  • 電子材料の売上・利益成長が続くか
  • 生活環境基盤材料の価格と需要
  • 7月29日~8月4日の自己株式取得日
  • 年間116円の配当予想
  • 7月27日の公式な価格と出来高

出典・確認先

数値は出典に記載した基準日・公表資料に基づきます。翌営業日の予報は記事日時点で確認できた材料による条件付きの見通しで、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。