最初の疑問から整理しよう

明日の2社同日上場、初値はどの水準を中心に見ればよいでしょう?

話題性だけで決めず、公開株数と吸収額を先に見よう。予想が外れる条件も一緒に確認するぞ。
30秒まとめ
中心予想850円、中心レンジ820~900円。公開価格770円に対し、中心値は10.4%高です。
中心予想800円、中心レンジ760~850円。公開価格700円に対し、中心値は14.3%高です。
2社合計の公開株は1,612万600株、吸収額は約121.5億円。同日に買い資金が分かれます。
数字はここだけ
結論:2社とも公開価格超えが中心。ただし大幅高は前提にしない
当サイト独自の中心予想は、アイ・グリッド・ソリューションズ(603A)が850円、ビーエイブル(604A)が800円です。外部のIPO予想サイト、読者アンケート、掲示板の予想値は使っていません。
アイ・グリッドはGXという話題性と2027年6月期の増収増益予想が追い風です。一方、公開株は最大1,235万1,500株、吸収額は約95.1億円と大きく、初値の上値を抑える可能性があります。
ビーエイブルは公開株最大376万9,100株、吸収額約26.4億円で、アイ・グリッドより供給負担は軽めです。ただし2社同日上場のため、買い資金が分散する点は共通のリスクです。
アイ・グリッド中心850円。弱気700~770円、強気950~1,080円
アイ・グリッドの公開価格は770円、売買単位は100株です。公募268万9,000株、売出805万1,500株、オーバーアロットメント161万1,000株を合計すると、公開株は最大1,235万1,500株です。
公開価格を掛けた吸収額は、サイト計算で95億1,065万5,000円、約95.1億円です。100株の必要資金は7万7,000円。公開株数と吸収額の大きさから、人気が集まっても需給だけで大幅高になるとは置きません。
中心値850円なら公開価格比10.4%高、100株当たりの差額は8,000円です。中心レンジ820~900円は6.5~16.9%高、弱気700~770円は9.1%安から変わらず、強気950~1,080円は23.4~40.3%高です。
弱気|700~770円
公開価格比-9.1~0.0%。95.1億円の供給負担が強く意識される場合。
中心|820~900円
公開価格比+6.5~+16.9%。中心値850円、100株差額+8,000円。
強気|950~1,080円
公開価格比+23.4~+40.3%。GXテーマへ買いが集中し、売り注文を吸収する場合。
GXの成長期待と、電力・天候に左右される事業リスク
アイ・グリッドは、法人向けオンサイトソーラー、蓄電池、EV充電、電力小売などを手がけます。会社発表では、PPAサービスの累計は2026年1月末に1,325施設、発電容量約331MWです。
会社の2027年6月期予想は、売上高309.66億円で前期予想比21.6%増、営業利益38.44億円で18.7%増、純利益21.40億円で24.2%増です。成長予想は初値の支えになり得ます。
一方、会社資料は四半期ごとの季節性と天候の影響を説明しています。GXの話題性だけでなく、電力調達・販売、設備投資、天候による収益変動も上場後の確認点です。
ビーエイブル中心800円。弱気650~700円、強気900~1,000円
ビーエイブルの公開価格は700円、売買単位は100株です。自己株式の処分257万7,500株、売出70万株、オーバーアロットメント49万1,600株を合計すると、公開株は最大376万9,100株です。
公開価格を掛けた吸収額は、サイト計算で26億3,837万円、約26.4億円です。100株の必要資金は7万円。供給負担はアイ・グリッドより小さい一方、スタンダード市場と事業テーマの違いから、人気の集中を前提にはしません。
中心値800円なら公開価格比14.3%高、100株当たりの差額は1万円です。中心レンジ760~850円は8.6~21.4%高、弱気650~700円は7.1%安から変わらず、強気900~1,000円は28.6~42.9%高です。
弱気|650~700円
公開価格比-7.1~0.0%。同日上場で買い資金が分散し、売り注文が先行する場合。
中心|760~850円
公開価格比+8.6~+21.4%。中心値800円、100株差額+10,000円。
強気|900~1,000円
公開価格比+28.6~+42.9%。業績伸長と供給の軽さが強く評価される場合。
営業利益68.6%増予想。廃炉関連の強さと案件偏重を分ける
ビーエイブルは、原子力発電所の廃炉作業、プラント建設、定期点検、耐震補強などを行います。会社は2026年8月1日から、再生可能エネルギーを扱う電力小売事業も始める予定です。
2026年7月期の会社予想は、売上高97.83億円で前期比8.9%増、営業利益11.31億円で68.6%増、純利益7.29億円で53.3%増です。利益の伸びは強気材料です。
一方、原子力・プラント工事は案件の時期や進捗に左右されます。新しい電力小売も開始前であり、初値後は計画どおり収益へつながるかを確認する必要があります。
ロックアップの解除倍率・期間は、推測で補わない
7月28日8時時点で、JPX、発行会社、引受証券会社の一般公開ページから、株主ごとのロックアップ期間と価格解除条件を再確認できませんでした。
そのため「180日」「公開価格の1.5倍」など、確認できない条件を記事へ載せていません。大株主の売却可能性を数値で評価できない点は、初値予想の不確実性としてレンジへ織り込みました。
明日の上場では、初値だけでなく初値形成までの時間、出来高、初値後の高値・安値・終値を記録し、この予想との差を後続記事で検証します。
上振れ条件と下振れ条件を、注文の入り方で確認
上振れ条件は、アイ・グリッドへGXテーマの買いが集中し、大きな公開株数を上回る需要が入ることです。ビーエイブルは、利益成長と比較的小さい吸収額が評価されると強気レンジへ近づきます。
下振れ条件は、2社への買い資金が分散し、売出株や利益確定の売りを吸収できないことです。相場全体が弱く、成長株や新興株から資金が抜ける場合も弱気レンジに注意します。
初値予想は保証ではありません。公開価格との差だけで判断せず、上場初日の出来高と初値後の値動きを確認します。

7月29日の独自中心予想は、アイ・グリッド850円、ビーエイブル800円です。GXの成長性とビーエイブルの利益伸長は追い風ですが、2社合計約121.5億円の供給と同日上場による資金分散が上値を抑える可能性があります。予想値より、初値形成までの注文、出来高、初値後の値動きを優先して確認します。
出典・確認先
- JPX:新規上場会社情報(2026年7月29日上場)
- 野村證券:アイ・グリッド募集・売出し概要
- アイ・グリッド:新規上場承認と公式資料
- アイ・グリッド:発行価格・売出価格の決定
- アイ・グリッド:2026年6月期・2027年6月期業績予想
- 野村證券:ビーエイブル募集・売出し概要
- ビーエイブル:新規上場承認
- ビーエイブル:2026年7月期業績予想
- ビーエイブル:電力事業
数値は出典に記載した基準日・公表資料に基づきます。翌営業日の予報は記事日時点で確認できた材料による条件付きの見通しで、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。