最初の疑問から整理しよう

フェローテックは朝の予報どおり、本当にストップ高で引けましたね。

ただし相場全体は朝の高値を守れなかった。強い個別株と、指数の上値の重さを分けて見よう。
30秒まとめ
晴れのちくもり。日経平均は307円高、TOPIXは0.51%高でしたが、日経平均は高値から約600円下がって引けました。
フェローテック(6890)は8,940円、前日比20.16%高のストップ高。出来高は14万7,700株でした。
くもり時々晴れ。ディスコ決算は追い風候補ですが、PTSの売買は薄く、原油高と利益確定売りが雲です。
数字はここだけ
指数は上昇。でも一日中晴れていた相場ではない
7月23日の日経平均は66,422.60円で終了し、前日より307.00円、0.46%上昇しました。TOPIXは4,053.88ポイントで20.75ポイント、0.51%高です。東証プライムの売買高は19億1,353万株、売買代金は8兆5,663億円でした。
朝は米国半導体株の上昇やAlphabetのAI投資拡大が追い風となり、日経平均は10時10分に67,022.37円まで上昇しました。前日終値から906.77円高です。しかし終値は高値より599.77円低く、朝の晴れ間をそのまま保てませんでした。
指数は上がりましたが、東証プライムの値上がり銘柄は全体の約44%でした。半分を下回るため、すべての銘柄へ買いが広がった全面高ではありません。そこで今日の株天気は、上昇を示す『晴れ』に、上値の重さを示す『くもり』を加えました。
今日の主役はフェローテック。8,940円のストップ高で取引を終えた
フェローテック(6890)は8,940円で終了し、前日より1,500円、20.16%上昇しました。始値・高値・安値・終値がすべて8,940円で、値幅上限のまま取引を終えています。出来高は14万7,700株でした。
材料は、前日の取引終了後に発表した2026年12月期の業績予想修正です。訂正後の会社予想では、営業利益を380億円から600億円へ57.9%、経常利益を360億円から550億円へ52.8%引き上げました。生成AI向け半導体設備投資の増加や、事業再編に伴う利益が主な背景です。
今日の値動きだけを見ると買いが非常に強かったといえます。ただし売買が8,940円だけで成立したため、その下の価格でどれだけ買い手が待っているかは分かりません。明日は値幅上限が上がり、今日買えなかった人の注文と、利益を確定したい人の売りが初めて大きくぶつかる可能性があります。
強さが続く形
買い注文が残り、出来高を増やしながら8,940円を上回る。
落ち着く形
売買が成立したあと、8,940円前後で上方修正を消化する。
注意する形
寄り付き後に売りが増え、8,940円を大きく下回る。材料出尽くしの利益確定を確認します。
資源・銀行・半導体に買い。小売・不動産には雨
業種別では、鉱業が2.19%高、銀行業が1.81%高、非鉄金属が1.68%高となりました。原油価格の上昇は資源株へ、長期金利の上昇は銀行株へ追い風になりやすく、AI投資への期待は機械・電気機器の一部を支えました。
一方、不動産業は1.55%安、食料品は1.14%安、小売業は1.11%安でした。金利上昇は借入負担の大きい不動産へ、原油高と円安は仕入れや物流コストの大きい消費関連へ重荷になりやすい材料です。
個別ではアドバンテストやレーザーテックが上昇した一方、キオクシアホールディングス(285A)は61,880円、3.72%安でした。キオクシアは67,000円で始まり67,190円まで上昇したあと、終値まで5,310円、約7.9%下がっています。同じ半導体関連でも、利益確定売りの強さには差が出ました。
ディスコとキオクシアのPTSはプラス。ただし出来高は東証の約0.07%
ディスコ(6146)は取引終了後に第1四半期決算を発表しました。営業利益は前年同期比42.2%増の490億円で、会社の事前予想も上回りました。19時27分の夜間PTSは69,900円、東証終値69,410円より0.71%高です。
ただしディスコのPTS出来高は1,400株で、東証出来高186万9,000株の約0.07%です。決算への最初の反応はプラスですが、東証と同じ厚さの売買ではありません。詳しい決算分析は別記事にまとめ、夜版では明日の東証で69,410円を守れるかを確認点とします。
キオクシアの19時33分の夜間PTSは63,090円で、東証終値より1.96%高でした。PTS出来高は2万9,100株で、東証出来高3,927万7,100株の約0.07%です。日中の下落に対する反発は見えますが、この薄い売買だけで明日の上昇を決めつけることはできません。
6万7,000円を守れなかった理由は、原油・金利・利益確定
日経平均が朝の高値を保てなかった一因は、中東情勢への警戒と原油高です。Brent原油は23日に1バレル97ドルを超える場面がありました。原油高は資源企業の販売価格には追い風ですが、交通、食品、化学、電力など幅広い企業の費用を押し上げます。
ドル円は東京市場で162円99銭付近から163円42銭付近まで円安が進み、17時ごろは163円30~40銭台でした。円安は輸出企業を支えやすい一方、原油高と重なると輸入コストをさらに増やします。
もう一つは短期の利益確定です。日経平均は7月21日に2,091円上昇したあとで、半導体株の値動きも大きくなっています。良いニュースが出ても、すでに期待を買っていた投資家が売ることがあります。明日も『良い決算だから上がる』ではなく、出来高を伴って高値を保てるかを見ます。

7月23日の株天気は『晴れのちくもり』です。日経平均とTOPIXは上昇し、朝に注目したフェローテックは8,940円のストップ高で引けました。一方、日経平均は高値から約600円しぼみ、値上がり銘柄も全体の半分未満です。明日は『くもり時々晴れ』。ディスコ好決算の東証での評価、フェローテック2日目の売買、キオクシアの反発、原油97ドル台を順に確認します。
出典・確認先
- JPX:株式関連の統計情報
- フェローテック:業績予想修正の訂正開示
- フェローテック:IRニュースリリース一覧
- ディスコ:2026年度 第1四半期 決算短信
- Yahoo!ファイナンス:ディスコ株価・夜間PTS
- Yahoo!ファイナンス:キオクシア株価・夜間PTS
- Reuters:7月23日の世界市場・原油・金利
- 東証業種別ランキング:7月23日終値
指数・株価は対象日の終値。業績数値は各社開示資料に基づきます。翌営業日の予報は記事日時点で分かっていた材料による条件付きの見通しです。市場の声は対象日前後の公開投稿を論点別に要約したもので、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。