310のひとりごと。赤いがま口を抱えてソファーでくつろぐ白いクマの310。

自分は昔から器用貧乏だった。

勉強もスポーツも、きちんとやればクラスや学年の上位には入れた。全国一になるような才能はない。でも努力すれば、それなりのところまでは行ける。そんな経験が多かった。

だから株を始めたときも、どこかで思っていた。

まあ、これもなんとかなるだろう。

最初のバルミューダでいきなり利益が出たことも、その思い込みを強くした。注文方法すらよく分かっていないのに6万円以上増えた。もしかして自分は株に向いているのではないか。ずいぶん都合のいい勘違いだった。

実際に続けてみると、株の世界には天才や鬼才としか思えない人がいる。情報を見つける速さも、決算や開示資料を読み解く力も、注文を出す瞬間の判断も違う。自分が一晩かけて考えたことを、もっと早く正確にやっている。

デイトレでは特に思い知らされた。買えば下がる。損切りすれば上がる。何度やっても同じようなことを繰り返す。

凡人だなあ。

相場を見ていると、この言葉が何度も頭に浮かぶ。自分より早く気づき、自分が怖くて買えないところで買える人がいる。努力すれば追いつけると思ってきた自分には、なかなか認めにくい差だった。

それが分かってから、戦う場所を変えるようになった。値動きを当てる力で競うのではなく、制度や配分のルールを調べる。株もなんとかなるという自信は外れた。でも、自分でもなんとかできる場所を探すことなら続けられた。

結局、何をやってもそれなりにはできる。でも、その分野で一番うまい人にはかなわない。株でも器用貧乏は器用貧乏のままだった。

それなら一番うまい人と同じ場所で戦わず、自分が少し得意なところだけ拾えばいい。

今はそのくらいに考えている。

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