310のひとりごと。赤いがま口を抱えてソファーでくつろぐ白いクマの310。

バルミューダをきっかけに、IPOという言葉を知った。

上場したばかりの銘柄はよく動く。値幅も大きい。うまく入れば、最初の取引のように短時間で利益が出るかもしれない。そう考えてIPOセカンダリーに手を出した。

普通に負けた。

上がっている銘柄へ飛び乗り、少し下がると待つ。さらに下がってから諦めて売る。自分が売ったあとに上がる。今思えば初心者らしい負け方を、きれいに一通りやっていた。

板の見方も分からない。どこで買うかも、どこで逃げるかも決めていない。勢いよく上がると置いていかれたくなくなり、買った途端に下がる。少し待てば戻るかもしれないと思っているうちに、損だけが大きくなった。

一時期は、売りと買いの比率を決めて自動で注文する方法も考えた。上がっても下がってもルールどおりに動ければ、感情に振り回されずに済むと思ったからだ。

ところが実際にお金が減ると、そのルールを自分で壊した。少し負ければ条件を変えたくなる。少し勝てば数量を増やしたくなる。仕組みを作る前に、自分の方が安定していなかった。

最初のバルミューダが頭に残っていたのもよくなかった。あのときは待っているだけで上がった。今回も戻るかもしれない。偶然の成功が、損切りを遅らせる理由になっていた。

株を始めて早い段階で、最初の6万円は実力ではなかったと教えられた。ずいぶん分かりやすい授業だった。

とはいえ、セカンダリー自体を完全にやめたわけではない。今も上場直後の銘柄は気になる。

ただ「よく動くから稼げそう」と「自分が稼げる」は別の話だ。その区別だけは、負けながら覚えた。

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